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古陶磁コラム  
2008年10月

染付月兎文皿

鍋島様式・17世紀後期
イメージ

 鍋島の斬新な意匠性を最も感じさせる五寸の変形皿である。この高台皿は先年、ある事情から破損し、その後修理をしていただくということで、金接ぎの修理ではなく共修理をお願いした。日本で一番優れた修理をする方ということでお願いしたが、出来上がったものを見てみると、写真の左上部の白の月の部分であるが、見事であった。以前から共修理というのは、通常見た場合、修理の痕が判らなくても、一方向から光をあてて見たり、写真に撮ってみるとはっきり判別できるものであった。しかしこの作品はどのような光をあてても判らない。あとは、時間を経ても変わらないかという点が心配ではあるが、もし変化したら再度やり直ししますとのことだった。日本における工芸の修理・修復の技術の高さは度々聞く話であったが、実感させられる作品である。


(文・14代今泉今右衛門)


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